『Pieces of the People We Love』The Rapture

Pieces of the People We Love

Pieces of the People We Love

DFAプロデュースの前作に比べると、音の作りに違和感を覚えるかもしれない。整理されたアンサンブルはロック的な抑揚感を目減りさせているかもしれない。でもこういう音を作りたかったんだな。雑誌のインタビューでも「R&Bをやりたい」「つんのめるよりもレイドバックしたグルーヴ」という発言もしてたし。そういう嗜好もあり、所謂(主ににUKの)ニューウェイブ/ディスコパンクって言われるバンドの作品と比べると、フロア志向で踊れるって事にさらに重点を置いて作った作品だと思う。ファンキーなギターカッティング、パーカッション、音のスカスカ感など従来の要素もあるんだけど、前作に比べると全体的に丸い、もっさりしてるというか。ただそれが、ボトムがしっかりして腰に来るグルーヴ感を生み出している。
で、個人的にはこのバンドはフランツフェルディナンド以降のバンドとは違うと思うし、「ダンスミュージックをバンドでやってる」っていうのが明確にあるし、そういうのが好きな人にはこのアルバムは最高な1枚だと思う。あと曲が良いのも大きいなあ。